岐阜県の2x4住宅を手がけるICBMワークショップ服部社長より、
モルタルおよびスーパーそとん壁の構造クラック(縦に入るクラック)
に関して、大変貴重な現場からのレポートが届きました。
服部社長のご好意により、スーパーそとん壁の採用を
検討していただいている皆さんに特別公開いたします。
服部社長曰く、「問題点は5つある」とのこと。
1、構造用合板の反りの問題
2、透湿防水シートの薄さの問題
3、波型ラスの波高の問題
4、下塗りの厚みの問題
5、乾燥養生期間の問題
まずはじめに再認識していただきたいのが
「空手の板割り」です。板に対して垂直に衝撃(荷重)
を加えると板は真っ二つに割れます。
なにが言いたいのかといいますと、
内側もしくは外側のどちらかから、垂直に荷重がかからないと、
「縦にクラックが入る」
のは考えにくいということです。
また、スーパーそとん壁を採用した物件では、
@建物自体が揺れたときにおきる斜めクラックはほとんどない。
A材料自体の収縮もほとんどない。
B縦にクラックが入った。
その原因を追究していくと上記の5つの
問題点が浮上してきたとのこと。
これを踏まえて一つ一つ解説していただきました。
1、構造用合板の反りの問題
合板は水分、湿気を含むと反ります。
厚みが薄いものほど
反りやいです。(高千穂では12.5mm以上を推奨しています)
建築中は合板が雨に濡れたり湿気を含むことは避けられませんが、
合板は水分・湿気を含むと反り、乾いてくると戻るということを
考慮して施工することが重要です。
壁に貼った合板が湿気を含み、膨らんだり・
反ったりしている状態で
透湿防水シートや波型ラスを打てば、膨らんだり・
反ったりしている状態が
「間違った平らな状態」になります。
合板が乾燥して元に戻ろうとするため、
壁面に対して垂直の荷重が
かかり、「縦にクラックが入る」ことになります。
具体的には9.5mmの合板はやはり反りやすいので使用しないこと。
合板をヨコ張り(アメリカではヨコ張りが当たり前)できればよいが、
日本の2x4では無理なので、在来工法を検討されている方は
合板のヨコ張りをしてみてはどうでしょうか?
2、透湿防水シートの薄さの問題
スーパーそとん壁を採用していただく場合、波ラスをタッカー止め
するまえに下地に透湿防水シートを貼っていただきます。
この透湿防水シートの種類によっては、問題が起きます。
サイディング用の透湿防水シートはあくまでサイディング用なので、
厚みが薄いものが多いのです。
モルタル専用の透湿防水シートとは厚みが全く違う為、
防水性にも
差があるはずなのです。
水を含んだ状態で塗るモルタルやスーパーそとん壁の下塗材を
サイディング用の透湿防水シート+波ラスに塗れば、
サイディング用の透湿防水シートを通過して、
下地の合板に水分が到達することは考えられます。
ですから、この時点で合板が膨らんだり・
反ったりすることもあるのです。
目安としてはモルタルラミテクト(高千穂推奨品)
より厚みが薄いもの
は使用しないほうがいいでしょう。
3、波型ラスの波高の問題
金網ラスにも様々な種類があります。
基本的に材料の厚みが確保できないようなラスは
使用不可です。
金網ラスはスーパーそとん壁の下塗材10mmの厚みが
塗れるように波型ラス波高8mmの金網ラスを使いましょう。
(高千穂推奨品はそとんラス)
4、下塗りの厚みの問題
スーパーそとん壁はこの波型ラス波高8mm
に下塗材を10mm塗ります。
この塗り厚が薄いと強度・防水に対して
問題が起きます。
この下塗材10mmのうち表面2mmが
世界初の特許を取得した画期的な防水の役割を
しているからです。
5、乾燥養生期間の問題
【スーパーそとん壁】は材料自体が通気性に優れており、
トップコート不要の防水性も兼ね備えた世界初の
「100%自然素材」の高級外壁左官材です。
通気性に優れているため、下塗・上塗りとも乾燥期間が
短く、早く乾きます。(下塗りは30時間、上塗りは4−8時間)
左官職人が4−5人一度に現場に入ることができれば、短工期が可能です。
スーパーそとん壁の下塗材自体は2日あれば乾いてしまうため、
上塗りを塗って仕上ることができるのですが、
上記の1−4の問題のように、
合板下地が
水分を含んで膨らんだり・反ったりしていると、
合板が戻るまでに、1週間から10日はかかるため、
仕上てから縦にクラックが入ることがあるのです。
また、ゆっくり荷重がかかることになりますので、
何ヶ月か経過してから
クラックが入ることもあります。
そのため、スーパーそとん壁の下塗り材を塗って、
ファイバーネットを伏せこんだら、合板が水分を含んでいるかも
しれないと考えて、合板の乾燥養生期間を1週間から10日とることを
お奨めします。